ママの約束~原発ゼロでみつけた本当の豊かさ~見所




「ママの約束〜原発ゼロでみつけた本当の豊かさ」は、私増山麗奈が、3年間多くの皆さんの技術協力、ご支援、ご尽力応援をいただき、ドイツや福島、原発立地地域や長崎、インドなどの取材をへて制作しました。放射能をばらまいてしまった福島の原発事故の後、どうやったら少しでも安全で希望のある未来を次世代に届けられるのか、母から子への目線で伝える作品です。

 【長年研究、活動してきたジャーナリスト、専門家の研究をわかりやすく】
 ジャーナリストの広河隆一さん、研究者の小出裕章さん、当選の瞬間の山本太郎さん、南相馬市市議の大山弘一さん、宗教界のボスとして初めて脱原発宣言を行った河野太通さん、福島の富岡町のご自宅を東京電力に奪われ原発難民となった木田節子さん、世界のオリバー・ストーン、ドイツ放射線防護協会のセバスティアン・プフルークバイル博士、広島の被爆者の故銀林美惠子さんなどそうそうたる方々にご出演いただきました。複雑になりがちな内容を、手作りの図や絵を交え、子どもにも伝わるように工夫しました。動画や資料の提供を、イラクを初め世界中の核被害を伝えてこられたジャーナリストの森住卓さん、警戒区域の研究を続けてこられた今中哲二さん、長年チェルノブイリの支援をしてくれていた野呂美香さんにしていただきました。


  【原発の片づけるビジョンを!原発廃炉現場をレポート】
 原発の廃炉の仕方、見たことありますか?報道規制があるのかないのか、日本ではなかなか原発廃炉の様子が伝えられることがありません。世界で最も多い25基の廃炉が進むドイツで、現場をレポートします。


  
 【すべての母の祈り、子どもたちへ託す願い】
 映画の冒頭で、私は娘に「原発のゴミによって作られた劣化ウラン弾の被害を心配して、あなたを産んだんだ」ということを伝えます。
 そのシーンにパートナーの写真を重ねました。なぜかというとこれから福島の子どもたちや日本の子どもたちに、人を愛する勇気を持ってほしい、と思ったからです。しょうがいを持つこどもをうむ リスクは増えたかもしれないけれど恋をすること命を授かること、青春の果実を存分に味わってほしい、というエールを送りたい。東京電力なんかに、愛しあう権利を奪わせてはいけない。

 【世界の核の被害者たちと共感しあう】
 イラクで劣化ウラン弾の被害にあった子どもたち、原発立地地域の人々の原発労働へのリアルな不安、ドイツの核廃棄物処分場の近くの住民の不安を伝えています。イラクや福島、核実験の現場や米軍、広島長崎、世界中の核処分場候補地で今まで流されてきたであろう幾多のおじいちゃん、おばあちゃん、父や母の涙、こどもたちの涙に想像力を働かせ、みんなが繋がり合うきっかけをつくりたいと願っています。

 【広がる土壌汚染、健康対策にも言及】
 関東のホットスポットである千葉県流山市の市議が周りのお母さん達に鼻血が増えている不安を語るシーンがあります。市民が子どもたちを守ろうと企画した甲状腺エコー検査にも同行しました。命を守るには現実と向き合い様々な具体的な支援を行っていくことが大事だと考えています。



 【希望はアート】 
 現実と向き合い被ばく対策をしようとすると、矛盾がおこります。故郷の土や歴史そのものがそのひとの命であるとき、移住するということは命をはがされることと同じ痛みを伴うことだからです。(自分で田んぼを耕すようになって、土が命であることを知り、原発事故が奪ったものの重さを改めて感じました。)何度考えても心が切り裂かれそうになるとき、「希望はアートだ」と確信しました。
原発が壊していくのは環境、健康、そして人々の心、つながりです。避難するしない 賠償金をもらうもらわない、さまざまな状況の中で人々の心は複合的に傷つけられていきます。そんなとき”どちらが正しい”という議論はさらに戦いをうみます。「傷ついた心をそのまま受けいれ、つなぐ広い海」のようなアートだが必要です。


 【子どもたちの心に寄り添う】
 特に傷つけられているのは子どもたちの柔らかい心です。インドで児童労働を行っていた女の子ミーナが、過去を振り返るシーンがあります。彼女がつらかったのは「お父さんがお酒をのんでいるとき」。世界には戦争や原発事故、貧困、様々な問題があるけれど、子どもたちにとってつらいのは目の前の世界が暴力によって荒んでいくことなんだな、と思いました。福島の少女ゆずきちゃんの心には「故郷の桑の実が食べられなくなったこと」と「お花が飾られなくなったこと」がとげのように突き刺さっています。

 【原発輸出よりアート!インドと福島の文化交流】
 インドと福島の子どもたちで大きな絵を描いた後、ゆずきちゃんもミーナもお互いをわかり合えたような、輝く笑顔を見せます。世界中の人が、理解し合い、心をひらきはじめたら、もうこの地球には原発も戦争も、差別も、格差もなくなるかも。そんな風に思えるほど素敵な笑顔でした。今、日本では、多くの方の声のおかげで一基の原発も動いていません。そんな中政府は、原発の被害を矮小化し、インドに原発を売ろうとしています。「チェルノブイリの後人類は原発をやめることができなかったけど、フクシマの後、日本人の行動によって、世界中の原発を止めることができたね」そんな風に将来言ってもらえるように今が踏ん張り時だと思います。

【子どもや市民の目線をビジュアルで伝える技法】
 子どもたちのシーンは絵の枠を付けたり、インド人アーティストの目線は特別な枠をつけるなど、多様的な視点を取り入れる工夫を、編集や画像編集で工夫しました。

【熟練スタッフのサポート】
 編集作業は昨年映画の編集で文化功労賞を受賞された「桃色のジャンヌ・ダルク」監督 鵜飼邦彦さん、テレビディレクターの太賀慎一さん、撮影はジャーナリストの志葉玲さんに協力いただきました。